あんだけざわざわしてたのに、一瞬で静かになるなんて、竜がこのチームでトップって事を改めて感じた。



そんな彼の隣に立つあたしも目立ってるわけで。



やっぱり、好奇の目で見られる。
まるで珍獣でも見てるような目だ。



それが、居心地が悪くて仕方がない。





なんか、気分が悪くなってきた……



「竜……。あたし、無理……。」




彼の袖をクイッと引っ張って言うと、彼は優しい声で「どうした?大丈夫か?」と聞いてきた。




「嫌、なの。目が……。あの目が、嫌なの………。なんか、居心地が悪くて……」




無性に泣きたくなって、声が震える。
情けないな、って思いながらも彼の袖をキュッと握る。




あたしの声を聞いて気付いたのか、竜は眉尻を下げて、あたしの頭をそっと撫でた。



そして、袖を握っていたあたしの手を袖から離し、大きな手で包んでくれた。



「もう少しの辛抱だが、我慢出来るか?」



優しい目と低い心地の良い声にドキッとする。




「う、うん…………。」





そこまで優しくされると、何故か断れなくて。
ズルいって思った。