「奈々。」


「何?」




名前を呼ばれて竜の顔を見る。





「北神の所に戻りたいか?」





戻りたい?





「何言い出すの?戻りたかったら行動に移してる。」





戻りたいワケ無いじゃない。




「戻りたくない。あんな奴顔も見たくない。」




地獄に自分から戻るような自殺行為なんて、するわけ無い。




「フッ。そうか。まぁ、帰すつもり無いけど。」




その言葉にどんな意味が込められていたのかは、この時まだ知らなかった。







「竜!集まったよ!」



友樹が丁度3分後に報告しにきた。





「よし。奈々行くぞ。」




「う、ぅん………。」




なんか緊張する!





「いざとなったら、俺が居る。」




そんなあたしに気付いたのか、竜が優しく声をかけてくれた。



「うん。ありがとう。」




幹部部屋から出て、廊下にでる。



一階には沢山の人が居てビックリした。
メッチャ緊張する!




ざわざわした空気の中、竜の存在に気付いた瞬間、静まり返った。