「本当の景はっ!もっと、口が悪いし!!賢くて何でもできてとってもかっこよくて、いつも私をドキドキさせてくれる、特別なひとで!」

「美緒さん……」

「なのに……記憶喪失ってなに!!?友達どころか全部忘れてるってなに!?私のこと見てもなにも思い出せないくせに非常階段来てちょっと、頭痛ってなに!!?こんなに一緒にいるのに私ってその程度の存在だったのーっ?!」

「え、ちょっ!」

「私と一緒に非常階段で話して笑って、白馬君とかとも楽しんで!順位が気に入らないって怒ってて、中学の時元ヤンだったってしって落ち込んで!伝えたいことあるってなんだったの!!?次の瞬間には記憶なくしちゃって……!」

「……!!」

「他にもいっぱい思い出があるのに……私だけ覚えてたって意味がないのに………」

「……っ!」

「ちゃんと私のこと思い出せ!!!風弥景っ!!」

『風弥君!』

「うっ…!」

「ちゃんと今の私を見て…今の私の声を聞いて思い出しなさいよ…!」

「美緒さ…ん…」

「私の名前は松本美緒……!景のことが大好きな女の子で……!そして……私はあんたにとって何だったのよ……」

「美緒さん…………」

「私のことどう思ってたのよーーっ!!!」

「……」

「……?景? 」

「美緒……?」