「お前、まさか営業部門のランクにも入ってきたりしないよな?」
ハッとしたかのように、窪田さんが私を見る。
やっと静まったホール内。
こそこそと話す私たちの会話をチラチラと周りが見ている。
「さぁ?入るように頑張ったけど、どうかな?」
私の笑みに、窪田さんを含め周りの営業部門の人たちが顔をひきつらせる。
そりゃ、そうか。
だって窪田さんもだけど、営業は専門の人が多い。
私みたいに兼任の、しかも販売で1位だったやつがランクに入ってきたら顔がたたないんだろう。
だから、それがここの店舗の甘いところだっつーの。
私が社長に頼まれたこと、
今いる店舗を30店舗中、売り上げ上位3位にすること。
そのためには、本気でやりますよ。