ぎゅっと唇を噛み締めて。



うるっと目に涙を浮かべて。





「私だって…!私だって好きなのに…いっくんが約束破るのに、もう疲れたよ。」





「だから、お願い。私も辛いの。私のこと想ってくれてるなら、最後の優しさをちょうだいよ…。」






「朱音…。ごめん…本当に…」




私の方を見て、私のことを可哀想に思う顔をする。




よし、もう一息。




「いっくんのこと、好きなままさよならしたいの。」




「……わかった。……別れよう朱音。」






ぶわっと、涙を流し、うんうんと頷く私。




「ありがとう…いっくん……



今まで、ありがとう…さよなら」





キーケースから、重たすぎるこの部屋の鍵を出して、辛いのと言わんばかりに部屋をすぐに後にした。





私が、部屋を出るとき、何かを叫んでたような…気がするけど。



知らなーいっ!!(笑)