「しかし偶然だっなぁ。」
聞けば、この辺で女の人と飲んでた窪田さん。
でも、その女の人が先に帰ってしまったところたまたま通りかかったのがこのバーだったらしい。
狭い店内。カウンターで1人で飲んでいたけど、聞いたことのある声がして行ってみたら私がいたというわけ。
そうか、偶然か。今の状況にぴったりの理由。
少しスッキリした私は、またお酒を口に運ぶ。
「話戻るけどさ。」
窪田さんが、私の頭を撫でる。
「たぶん、お前の周りで一番仕事ができるのはお前だよ」
いつの間にか朱音からお前になってて、唐突に言われた言葉に私はポカンとした。