「窪田さん、私の苗字知ってたんですね」
私が少し睨むように、彼を見る。
「朱音こそ、俺のこと知ってたんだ?」
ここいかな?そう言ってさりげなく私たちの席につく、窪田さん。
おいおい、連れとかいないのかよ。
そんなことを思ったけど、一つも気にしてない窪田さんだからほっといてみた。
「そりゃ、まあ。表彰されてますから」
伊織は、気を効かせたのか店のオーナーのとこにいった。
「伊織ちゃんだっけ?よかったの?」
っておいおい、心配するなら割り込むなよ!なんて思ったけど、そんな自分勝手な男は嫌いじゃない。
「オーナーのとこだから平気ですよ。ここのオーナー、私たちの同級生で仲良いんで」