私は、あのキスが本物か確かめたかった。
6年ぶりのキス。
あの時、感じたドキドキは本物なのかと。

「ここで?」

「はい。大丈夫です。誰もいませんから」

そこは、駅の裏側。

昼間は一通りが多い入り口だが、9時が回っている今は、誰も人はいなかった。オフィスのこちらの入り口は人がいなかった。
自分が何を言っているのか分かっている。シラフの私だったら、絶対に言わない。
外でキスなんて…。

「じゃあ、目つぶれ」

私は、目をつぶるのと同時に、口に暖かいものあった。