店を出ると、大倉さんは、私の手を掴んで歩き出した。私は、急な行動になにも言えず、掴まれたまま歩いた。

そのまま何も話さないまま。駅に着いていた。

「最後に教えてくれ。君は俺をどう思っている?」

大倉さんが言った。

「わたしは…」

私は、まだ、答えを言えなかった。

「どんな結果でも、俺は受け止める覚悟がある」

私は、下を向いていった。

「私にキスをしてください」

「はい?」

「だから、キスしてください。」

今度は私は、大倉さんの目を見ていった。