トイレの前のベンチに大倉さんが座っていた。あの日から、なんとなく気まずく感じて、私は大倉さんと距離をおいていた。

『元山』

私は、会釈して大倉さんの前を通りすぎようとしたら、大倉さんに腕を捕まれた。

『大倉さん?』

『気持ち悪い』

『えー!!ちょっと待ってださい』

私は、大倉さんを連れて、トイレに入った。
間一髪のところで、地面にばらまかないですんだ。私は、 吐いた大倉さんにお水を渡した。

『大丈夫ですか』

『ごめん。ありがとう。吐いたらスッキリした』

みんなの輪には、帰らず。もう少し大倉さんに付き添うことにした。