翌朝は、少し前と同じようなしんとしたリビングで、一人トーストを食べて学校に行った。


「……ふわぁ……はよ」
「……おはよ」


三那斗は珍しくすごく眠そう。
いや、それも当然だ。だって昨日結構遅くまで起きてたみたいだったもん。

大きなあくびを連発する三那斗を見てると、こっちまで移りそうになる。
……だって、私もあんまり寝てないから。


「何時まで起きてたわけ?」
「……3時」
「はぁ?!3時?!まさか、その時間までずっとトランプやってたわけじゃないでしょうね?」
「ウノだ、ウノ!途中で路線変更した!そしたらついに勝ったぞ!わははは」
「……ばか」


目の下にクマを作って笑う三那斗に呆れた視線を送る。
あくびをかみ殺す三那斗に、ぽそりと言った。


「……昨日。電話……してくれたんだって?」


やっぱり、こうして毎日のように顔合わせる相手だから、知らんふりなんかできない。


「……ちっ。言うなって言ったのに……聖二兄のやつ」
「え?」
「あー、まぁ、別に。気が向いたっつーか、なんつーか……」


急に声が小さくなる三那斗がおかしくて、私は笑う。

いいな。そうやって、自分のことよりも相手のことを思って行動してあげられる人ってすごいと思う。
私もそうなれたらいい。


「……なんだよ?」
「んー?三那斗みたいになりたいなぁって」
「はぁ?」
「こっちの話!」


私の言うことに首を傾げ、三那斗は納得行かない顔をしたままだった。