*
不思議なモンで、ある程度騒がしい方が眠れたりする。
裏を返せば、急に物静かになったことで、目を覚ますこともあるってこと――今みたいに。
「利害が一致するじゃない。わたしたち」
後方からひそかに聞こえる声に、顔を少しだけ横に向ける。
アキラの言ったことになにも……否定もしないチハル。
……やっぱりチハルのやろう……。
少し前からそんな気もしていたが、今ので確信に変わる。
加えて、アニキがいないことにも気付くと、おおよそ、美佳と一緒にいるのだろうと思った。
アニキ……隣に行ってるのか?
アニキに限って勢い余るようなことはしないと思うけど……でも、隣に二人きりっつーのはさすがに気になるな。
静かにソファを立ち、アニキの様子を窺いに行きたいという気持ちから歩を進める。
けれど、まだ俺の存在に気付いてないチハルとアキラを視界に捕らえると足が止まってしまった。
あの二人なら、簡単にあそこを通してはくれなさそうだ。
仮に無視して隣に行っても、チハルが堂々と隣にあがってくんだろ……一応住んでるっつーしな。
面倒な兄妹だ、と小さく溜め息を吐いたときに、横から突然ぽつりと声がした。
「……もう悠長になんかしてられないよ?聖二にぃ」
不思議なモンで、ある程度騒がしい方が眠れたりする。
裏を返せば、急に物静かになったことで、目を覚ますこともあるってこと――今みたいに。
「利害が一致するじゃない。わたしたち」
後方からひそかに聞こえる声に、顔を少しだけ横に向ける。
アキラの言ったことになにも……否定もしないチハル。
……やっぱりチハルのやろう……。
少し前からそんな気もしていたが、今ので確信に変わる。
加えて、アニキがいないことにも気付くと、おおよそ、美佳と一緒にいるのだろうと思った。
アニキ……隣に行ってるのか?
アニキに限って勢い余るようなことはしないと思うけど……でも、隣に二人きりっつーのはさすがに気になるな。
静かにソファを立ち、アニキの様子を窺いに行きたいという気持ちから歩を進める。
けれど、まだ俺の存在に気付いてないチハルとアキラを視界に捕らえると足が止まってしまった。
あの二人なら、簡単にあそこを通してはくれなさそうだ。
仮に無視して隣に行っても、チハルが堂々と隣にあがってくんだろ……一応住んでるっつーしな。
面倒な兄妹だ、と小さく溜め息を吐いたときに、横から突然ぽつりと声がした。
「……もう悠長になんかしてられないよ?聖二にぃ」