*
「ちょっと待ってチハル……! 鍵、カギ!!」
出掛けた帰りの廊下に、そんな声が聞こえてくる。
ちょっと距離はあるけど、その声がだれのものかなんてすぐわかる。
「美佳!」
小走りで僕が駆け寄ると、衝撃的なものを見てしまう。
「……ちょっと。なんで手を繋いでるワケ?」
今廊下に出たばかりであろうチハルと美佳が、手を繋いでる。
僕の指摘に慌てて手を離したのは美佳の方。
チハルの顔を見れば、「ちぇ」とでも言いたげな顔をしてる。
「二人でどっかいくの?」
美佳が鍵を締めようとしてたんだから、二人で外出するセンが強いよね。
しかも仲良く手なんか繋いじゃって。
まぁ、それは美佳の意思じゃないことくらい、容易にわかることだけど。
「ど、どっかっていうか……」
「ベンキョーの息抜きにね」
「勉強?」
あわあわとしてる美佳を見るのは面白いし可愛くて好きだけど。
でも、今のこの状況下じゃ、単純に美佳を見て楽しむことは出来ない。
「そう。ミカにね、ちょっと教えてあげたの」
さらりと受け答えするチハルをじっと観察する。
……このオトコ……ほんと、裏が読めない。
でも、美佳のことがきっと気に入ってるはずなのは、僕の勘が当たってるはず。
「ちょっと待ってチハル……! 鍵、カギ!!」
出掛けた帰りの廊下に、そんな声が聞こえてくる。
ちょっと距離はあるけど、その声がだれのものかなんてすぐわかる。
「美佳!」
小走りで僕が駆け寄ると、衝撃的なものを見てしまう。
「……ちょっと。なんで手を繋いでるワケ?」
今廊下に出たばかりであろうチハルと美佳が、手を繋いでる。
僕の指摘に慌てて手を離したのは美佳の方。
チハルの顔を見れば、「ちぇ」とでも言いたげな顔をしてる。
「二人でどっかいくの?」
美佳が鍵を締めようとしてたんだから、二人で外出するセンが強いよね。
しかも仲良く手なんか繋いじゃって。
まぁ、それは美佳の意思じゃないことくらい、容易にわかることだけど。
「ど、どっかっていうか……」
「ベンキョーの息抜きにね」
「勉強?」
あわあわとしてる美佳を見るのは面白いし可愛くて好きだけど。
でも、今のこの状況下じゃ、単純に美佳を見て楽しむことは出来ない。
「そう。ミカにね、ちょっと教えてあげたの」
さらりと受け答えするチハルをじっと観察する。
……このオトコ……ほんと、裏が読めない。
でも、美佳のことがきっと気に入ってるはずなのは、僕の勘が当たってるはず。