クラス替え初日は
あっという間に終わっていった。

ー帰りー

1人で帰ろうとしたそのとき、
小学校からの仲の梨夏(りか)に
一緒に帰ろうと誘われた。


家の近くまできたとき梨夏が言った。

「今日このあと暇だー」

「あたしもー」

「ぢゃあさ!久しぶりに語らない?」

「お、いいねー!」


そんな感じで予定が
決まったあたしたちは
あたしの家の前で語り合っていた。


そこに近所の幼馴染の
綺音(あやね)が通った。



「あ、綺音ぢゃん」

「なにしてんの?」

「みりゃわかるでしょ、散歩だよ」

そう言った綺音は
最近飼い始めた犬を連れていた。

「あはは、確かに。
うめしっかりしてよー」

「はーい」

これ以上いじられたくなかったので
あたしは話題をかえた。

「綺音のクラスはどんな感じだった?」

「それが上田と一緒なのー!!」

「上田ってあの?」

「そう!あの!」


上田は勝谷のグループの一員で
勝谷の次に強いと言われている人だ。
去年の上田のいるクラスの
荒れようは半端なかった。


「もう終わりだよ、ほんと」

「一年間我慢だねー」

なんて他人事みたいに言ってると


「うめこそどうなの??」

なんて綺音に聞かれた。


「いや、どうって、普通だよー?」


「普通ってなによ普通ってー」


「普通は普通。
あ、勝谷と同じクラスだったよ」

あたしは自然とその言葉が出てきた。


すると梨夏は
予想外の言葉発した。

「勝谷かー、いいぢゃん」

「はあ!?いい!?なにが??」


あたしはびっくりしすぎて
つい熱くなってしまった。


しかしこのあと梨夏たちに言われる事が
こんなにもあたしを悩ませるなんて
このときは思ってもみなかった…。