茶髪にピアス、
学ランなのにボタンは全開、
ちびのくせして
だぼだぼのズボンをはいている。


勝谷だ。


「俺の席どこ?」

友達に聞いて勝谷が
あたしのななめ後ろの席に座る。

するとあたしの前の席の琴羽(ことは)が
話しかけてきた。

「勝谷、相変わらずいかついねー」

「そうかな?」

「えー、うめちゃんおかしいよー!」

だってほんとのことだもん。

見た目は変わっちゃったけど
中身は昔と変わってないと思っている。
だから見た目がこんなになっても
どうもいかついようにみえない。



「なんか俺の机低くね?」

そういいながら勝谷が机を持ち上げ、
床へ投げつけた。


教室にその音が響き渡る。


「あれ?なんでこんなに
シーンってなってんの??」

なんていいながら、勝谷は笑っていた。


すると勝谷の隣の女子2人組が

「勝谷うるさーい」
「びっくりしたぢゃん」

なんて言いながら笑った。
そして勝谷はその女子達と話しだした。




もしあの時勝谷のことを
避けていなければ
あたしもあの子達と一緒に
勝谷と話ができたのかな…?

そう思いながらあたしは
3人を見つめていた…