あたしは自分の部屋へと向かう。
1人になった瞬間
頭が混乱してきたあたしは
自分のベッドへ寝転んだ。


今思えば、この部屋にも
勝谷との思い出がたくさんある。

一緒にゲームをしたり、
話をしたり。

勝谷と過ごした日々は
今でも鮮明に覚えていた。


あたしは少しずつ
思い出していった。


ー小学校5年生ー


勝谷はいつものように15分かけて
あたしの家へ遊びにきていた。


すると急に勝谷が言った。

「お前って、好きなやついんの?」


あたしはそのとき
7年片想いをしている人がいた。
勝谷に嘘はつきたくないと思い、
あたしは好きな人がいることを告げた。


すると勝谷は笑いながら

「そいつ俺の知っている人?」

と、聞いてきた。



改めて好きな人の名前を
言うのはなんだか恥ずかしくて、
あたしは勝谷には言わなかった。



あたしは習い事をしてたから、
毎日は遊べなかった。
でも勝谷はあたしが遊べない日は
綺音と遊んでいた。


たまたま窓から見えた2人は
あたしの前ぢゃ見せたことないくらいの
笑顔で話をしていた。


そこであたしは
勝谷は綺音が好きなんだと思った。
だから毎日毎日綺音と遊ぶ為に
遊びにきているんだと
勝手に解釈した。



そしてその次の日の学校帰り、
綺音に勝谷のことを
どう思っているのか聞かれた。


あたしはまたまた勝手に解釈した。
こんな質問してくるってことは
綺音は勝谷が好きなのだと。


そう勝手に解釈したあたしには
2人が繋がる。

“両思い”という言葉で。


2人は両思いなんだと
確信したあたしは、
なるべく勝谷と綺音を2人きりにした。

そして勝谷のことも避けるようになり、
あたしたちは話をしなくなった。