「うめ、やっぱりあの時
気付いてなかったんだねー」


「さすが鈍感少女ー」


このとき頭の中は

勝谷が?あたしを?
好きだった?なんで?え?

もうはてなマークでいっぱいだった。


「てかなんで
梨夏と綺音が知ってんの?」


率直な疑問だった。

「あたし勝谷に相談されてたもん」

と綺音。
綺音はあたしの幼馴染だし、
勝谷と遊ぶ時もほぼ一緒だったから
まあ、それなら納得だった。


でも梨夏は違う答えだった。

「あいつ廊下で思いっきり
うめのことが好きだって
叫んでたんだもん」


はあ?あたしを好きだって
廊下で叫んだ?



「たぶん、学年全員
勝谷がうめの事好きだって
知ってた思うよ」


おいおいおい、勝谷くん
何してくれちゃってんだ?


おまけに


「そういやあいつ、肩のところに
うめの名前彫ってた」


あたしの名前彫ったの??


あたしごときのために、
自分の体傷つけないでよー
なんて悲しくなったけど、
やっぱりどこか嬉しかった。


「だからさ、付き合えばいいぢゃん」


「付き合うなんて、そんな!
向こうだってもう
あたしの事好きぢゃないよ!」


そう。だって小学校の時の話だもん。


「でもあいつにとって、
うめは初恋の相手なんだから
付き合えたら嬉しいと思うよ」



初恋があたしとか….
勝谷趣味悪すぎるでしょ。



そんなことを思っていると
綺音が思い出したように言った。



「やば!もうこんな時間じゃん!
塾間に合わない!」


「あたしもアニメ始まる時間だ!
帰るね!」



2人は風のように去っていった。
1人になったあたしは
家の中へと入っていった。