郷愁の念にふけり壁にもたれる。
馬小屋を宿として使っているのか…動物特有の臭いが鼻につくがこれもかえって今の私には心地がよかった。
また母がいた頃…うちにもたくさんの馬がいた。
しかし戦乱の世に馬屋をもつ家は…真っ先に狙われ落とされる。
うちも例外ではなく…馬を盗まれただけではなく家すらもなくなったクチだからこの宿屋の事情もよくわかる…。
この宿もあえて馬屋をなくしているのだろう…。
もしくは…馬と共に休めるといった事をメリットにしてるのもあるのかもしれないが…どちらにしても今日ここにきたのは遊びにきたわけではない…。