二胡が間奏を奏でる間に思わず八つ目の 尾ごとゴクリ……と飲み込んでしまった。


目の前には化け物……。

口元には最後の尾が小さく私の喉元に吸い寄せられてくる…。



異様な光景にただひたすらに二故を引き続ける。


最後の尾をとられまいと化け物は臭気を帯びながら不気味なうめきをあげて突然叫んだ。



「―――翼駿〈ヨクシュン〉」




その名に込められた意味がどういう意味あいか今や共に戦う仲間となった剣客達の「ヤバイ……!!名前を聞くな!!!」という声を最後に銀の毛並みを奮いたたせた狼のたけびが聞こえた。