あまりの恐怖に声なんてでず後ずさりながら二胡を奏でる。
狐の形相をした化け物はやがて私に焦点を見定めた。
「―――詠って下さい‥‥‥。」
緩んだ魔術からとかれたのか鷹は二胡の先にとまり叫んだ。
酒場であったあの男の声に似ている。
「―――詠え!!!!」
バサバサと豪快な音を立て私の気をあおりたつ。
“恐い闇では‥‥心をこめて詠うのよ‥。
辛い時も悲しい時も人は心で歌えばさびしさも恐怖もなく無垢になれるわー!!!”
その声に遠い母さまの声が響きその続きをくりかえす。
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