ただならぬ緊張感が伝わる手元が震えないように二胡を奏でるのに集中しつつ相手が私の近くへと距離を縮めた事がわかる…。 『目を合わせちゃダメだ!!!』 先程の青年が傷口から血を流しながら叫び剣を地面から抜き顔面の焦点を定めて歯を食いしばった。 「くたばれーーーー!」 剣先の尖った先端を獣目掛けて渾身の力を込めて突進するその気迫が音色の弦に沿って伝わってきた。