2人の声が背中に響き耳に届くものの時…既に遅しで宙に舞う狐の化物はピタリと頭上で止まりニヤリと妖しげな笑みを浮かべた。




 ―――ゴクリ………。




 喉に異物の違和感を感じながらも唾を飲み込む………。




 ―――やがて……その者は私に相変わらずの笑みを浮かべてまず呪詛を用いていた方の身体を持ち上げた。




 彼はそのまま宙に吊り上げられて例の化物を睨む。




 「無駄だ…………。
―――劉 軌〈リウ キ〉!!」




ニヤリと悪態をつきながら彼の名前らしい名を先ほど聞いた化物とは明らかに違う声で口にしたと同時に空中で彼は苦しみもがき始めた。