毛玉のような不思議な感触が喉を直撃し私は思わずむせ込み吐き出そうとした。



 「!!」




 2人の男はその様子に思わず足を止めた。




 次の瞬間…先程までいたぶられていた化物と化した宿屋の主人は思わず2人の男に頭突きを喰らわせて彼らは床へと叩きつけられた。





 「ゲホッ…!!
 ゴホッ……!!
 大丈夫……?」



 むせ込みながらも私は剣を引き抜き構えたその頭上にニヤリとしたり顔で笑う狐の姿があった。




 「――くっ……!!

 油断したっ!!!

 早く…逃げろ!!!」




 「そうですっ!!!
 今のうちに出来るだけ遠くへ!!」