「この死に損ないが…………!!」
身軽に身を起こしたその姿は先程の宿舎の主人の風貌とはかけ離れ耳までさけた口から鋭利な尖った歯を剥き出しにのぞかせていた。
「―――どっちが死にぞこないだ………!!」
突然現れたもう独りの男は…宿屋の主人の変わり果てた風貌に言葉を返して舌打ちした。
宿屋の主人はそんな彼の言葉にも動じずやがてククク……と悪笑したまま頭のてっぺんに移動した尖った耳をひとなでした。
私達3人を観察するように不気味に笑うなか‥例の男は突然現れた男に話かけた。
「――同業者だったとは…………油断しました。
―――でもあの獲物は自分が頂きます。」
「―――じゃあ…早いもの勝ちだな……!!」