やがて…宿屋の主人の目が血のような赤い光を帯び始めた。




 「―――あれは俺の獲物です…。


 今度こそ仕留める………!!」




 丈夫にできた縄を振りかざして両サイドに持ち替えた彼はやがて何か呪文を唱え始めた。




 「何度もその手に引っかかるか―――!!」




 例の店屋の主人の顔がみるみるうちに尖りやがて口先は避けて鋭い牙が光った矢先だ……………。






 ―――ドコッ‥‥‥!!





 突然鈍い音が響きやがて例の店屋の主人は私と男の間に突進してきたのに気づいたもののそのまま左右に回避したその間を恐るべき速さで突っ込み壁に激突し再び白煙が巻き起こった。