その様子に私はなんだか拍子抜けして肩を落とした…。



 「ここから早く立ち去った方がいい?」




 「おっー。


 自分の事を心配してくれるなんて~お優しいお方だ………。」




 呆れた眼差しで私は宿屋の主人へと話かけた時…ふと強張った表情と鋭利な瞳で主人を睨む彼の姿が視界に入った。




 なんだかゾッとするほどに一心に店屋の主人を睨みまるで何かに狙いを定めたように表情を変えようともしない………。




 私はその彼の表情に不信な思いを抱きふと足元に揺らめく影をみた先に我が目を疑った。