「俺の獲物だったんだ!!」


 「苦戦してるように見えましたが…?」


 「作戦だっ!!」




 イチイチ突っ込んでくる言葉にイラつきながら声をあげるなか…血の匂いをどこからともなく運んできた。





 「それ差し上げますから…早々にこの宿から立ち去った方が身のためです。」




 奴も感じたのか…先程とはトゲのある言い放つ。




 「――怖じ気づいたのなら…そっちが帰ればっ!!」



 先程から言われっ放しなのも腹に据えかねた私はここぞとばかりに言い返すものの急に黙りこんだ。