思わず私は転がってきたその物体に口を塞ぐ。
そこには…得体のしれないこの世の者とは思えない妖怪の生首が床に無造作に転がっていたのだ…。
私はひとまず口を覆ったままその場を離れ部屋の中へと駆け込んだ。
異様な匂いが鼻をつき虫酸が走る。
腰にさした鉄の剣を握り直し身を屈めた時…頭上から長めの大長刀がふってきたのを寸前で交わした。
「――あなたでしたか…?」
大長刀を突きつけるのは先程酒場で食い逃げした男だ…!!
――やはりコイツがそうなのか…?
私は警戒しながら…ひとまず尋ねる。
「この店をこんな風にしたのはあんた?」