初めてあんなに心から笑えた。 初めてあんなに自分の思っていることを素直に言えた。 榎本君とあたしは6時間目が始まるギリギリまで図書館でささやかな談笑をしていた。 榎本君はあたしの小さな声を柔らかな表情で真剣に聞いてくれた。 大げさだと笑われるかもしれないけれど、そんな人が現れるなんて夢にさえ思えなかったから。