昨日の放課後、委員会で仕事を片付けていると顔も名前も知らない小さな下級生が声を震わせながら可愛くラッピングされたクッキーをくれた。 「ありがとう」と告げると真っ赤になって走り去っていった。 嬉しくないといえば嘘になる。 だけど、「ありがとう」 この言葉しか言えなかった。 後にも先にも何も言わなかった。