「みんなやめなよ!その話が本当でも嘘でも、今までみんなと一緒にいた翼君に嘘なんて一つもないんだから!」


後ろにいた原田さんが俺を庇うように前に立ち、声を張り上げた。

いつも黙ったままの原田さんがそんな大胆な行動をしたことにクラス中が驚きを隠せないようだ。


「根暗はだまっとけよ!」

「でしゃばってんじゃねーよ」

「俺らはホントかウソを聞きたいんだって」

「だから翼君は……!」



「もういいよ。原田さん」

「でも……」



原田さんは悔しそうに心配そうに俺をみた。



もう逃げないと決めた。

たとえ闇が俺の手を掴んでも。



「……ほんとうだよ」



俺の声が静まり返った教室に響いた。