「翼君…、哲ちゃんとまだ話しにくいかな?」
昼休みの図書室で、いつものように他愛のない会話をしていると、唐突に原田さんが申し訳なさそうに切り出してきた。
「……え」
「翼君と哲ちゃん…最近一緒にいないから…」
図書室という静かな空間に原田さんの声が響く。
「あ、いや…。なんていうか……。正直まだ怖いんだ。今までは友達としてギリギリ接することできてたけど、あの一件でやっぱり俺、哲のことすきなんだって実感して……そしたら急に傍にいるのが怖くなった……」
ラインを越えると
もう二度と、哲の傍にはいられなくなる気がして
怖い。