それから二週間ほどたってもそんな調子だ。


10分休憩は哲は委員会の資料を持って、どこかにいったり

哲がどこかにいかなくても

俺が哲の席に近寄ることはなかった。

窓の外に広がるちぎれ雲をぼんやり見てたり寝たフリをしたりした。


昼休みはそんな俺を見かねてか原田さんが図書室に誘ってくれた。

図書室は教室のウルサい声も、哲も見えなくて、安心できた。

だんだん昼休みは図書室にいくのが日課になっていった。

原田さんが静かに本を読んでいたら、俺も真似して本を読んだら確かに気が紛れた。

たまに原田さんと他愛もない話をしたりした。


哲と話さなくなってから、笑うことができなくなっていた自分が
そのときだけは笑えていた。