目の前が眩む。

溺れる!

溺れる!

溺れる!


「……なんで…俺には葵が必要なんだよ!葵じゃなきゃ駄目なんだよ!」

体を起こし、声を荒げる。


葵がどこかにいってしまう。

置いて、いかないで。




絶対的なものが欲しかった。

本当の俺は、とても醜いから。

誰かに繋いでいてほしかった。

ヒーローでいなきゃ誰も俺を見てくれないから。