ただその場に立ち尽くす。 いや、正直なところ自分が立っていられているのかもよく分からない。 そのとき、記憶がすごいスピードで脳内を駆け巡った。 『哲ちゃん!哲ちゃん!』 『ありがとう哲ちゃん!』 『あたしも……すきだよ』 『いやぁあぁぁ!!!やめて!!!やめてよ!!!お願い放して!!!!』 葵、今でもまだ聞こえるかな? 俺、ほんとは…… ほんとはさ……