冷房のガンガンにきいた職員室でも中年の山本先生の額にはうっすら汗がにじんでいる。 団扇をはためかせるその姿はまるで風呂上がりだ。 「おー!何度も悪いな、委員長!」 絶対思ってないんだろうな、この陽気な笑顔から察すれば。 「構いませんよ」 「えーっと、目を通して一度意見を聞かせてほしい資料があるんだ」 そう言って散乱した机の上を無造作に探る。