「先輩も浴衣似合ってますよっ」


「さんきゅー」



広く開いた胸元。
覗く鎖骨が大人っぽさを増している。


髪もワックスで遊ばせてるし、
イケてる男子代表な大上くん。


今日も女の子に囲まれてます。



「及川さん」



軽く肩を叩かれ振り返ると制服姿の男子が立っていた。



「あれ?水瀬くんは着替えないの?」


「俺は浴衣じゃなくてクマの着ぐるみを着るんだってさ。客寄せ頑張ってくるから」



クマの着ぐるみって……あぁ、あの目が充血してて少し怖い顔のやつか。


えぇー……ちょっと浴衣姿見たかったなあ。