「へぇ、もう妬かないんだ?」
その言葉にうっと詰まるわたし。
ニヤニヤとしながらこちらに近づいてくる大上くんからそっと視線を横にずらす。
なんでそんなに楽しそうなんですか、あなたは。
「昨日は変な態度とってごめんね」
無意識のうちにぎゅっとワンピースの裾を握っていた。
視線を落としていると大上くんが目の前にどかっと座ってきた。
……近いんですが。
「日向子からキスしてくれたら許してやるよ」
視線をあげると目の前には目を瞑って無防備な顔で待っている大上くんが。
き、キスって…自分からってどうやるの……!?