「あ、郁磨~ごめんねぇ。中に入って待ってればよかったのに」
梨菜さんの声に落としていた視線をあげる。
お姉ちゃん達の部屋の前。
廊下に立って携帯をいじっていた大上くんの姿があった。
わ……大上くんも浴衣だ。
着れるんだぁー
わたしは浴衣の着方がよくわからなくてお姉ちゃんにやってもらいました。
全くあんたは……とかぶつぶつ言って呆れながらもちゃんとやってくれたのです。
優しいお姉ちゃん。
「わぁ、おいしそう!」
「すごーい!」
部屋に入るなり感嘆の声をあげるお姉さん方の隣でわたしも机に並べられているものを見て目を輝かせた。