「お、大上くん~…!」



仲居さんにチラッと視線をやりながらも小声で部屋の中に呼びかける。




「なに?」

「お姉ちゃん達の部屋でご飯食べるんだっけ?」


「あぁ、そうなんじゃん」




チラッと仲居さんに視線を向ける大上くん。


ニコッと微笑めば……あらあら、仲居さんの顔が赤い…!


小さく頭を下げ逃げるように去っていったその背中を視線で追いかける大上くんはこんなことを口にした。




「可愛いね、あのヒト」



……はい?




「さてと、何する?散歩でも行くか?」




グッと近くなった顔。

大上くんは壁に手をついてわたしの顔をのぞき込んできた。