卒業式を無事に終え、春休みを満喫中のわたし達。


梨菜さんとお姉ちゃんが計画した温泉旅行に四人で来ています。



大上くんと初めての遠出です。
(お姉さん方も一緒だけど)




「ちょっと疲れただけだよ。ご飯食べれば元気になる!」




そう言うと大上くんは小さく笑ってわたしの隣を歩き出した。



いつもなら「遅い。もっと早く歩け」って言うのに今日は何も言ってこない。



ちょっとしたそういう優しさに胸がきゅって音を立てる。




「明日は観光するんだろ。体調悪かったら日向子は一人で留守番することになるな」


「え、ヤダ……それだけは嫌だよ!」