わたし、大上くんが好き。



もうごまかせない。

気づかないフリなんて
できなくなってしまった。


この気持ち、消したくない。




「やっぱ、大上には勝てないな」




小さく笑ってぽんと軽くわたしの肩を叩き、水瀬くんは横を通り過ぎていった。


頑張ってね、と確かに聞き取れた。




ありがとう。

がんばる。もう逃げないよ。



だって、明日が最後なんだもん。



ドキドキする胸を押さえ、莉乃ちゃんと愛華ちゃんが待つ校門へと急いだ。



今からドキドキしてたら明日はどうなっちゃうんだよって話だよね。





卒業式前日、わたしは大きな決意をした。