「冬休み全然会ってなかったもんね」



莉乃ちゃんはぽんぽんとわたしの頭を優しく叩きながら言った。


今年は初詣以外どこにも出かけていない。


まぁ、受験生ですからね。


莉乃ちゃんや愛華ちゃんはどこかお出かけしたのかな?

お弁当の時にでも話聞きたいな。


自分の席へと戻っていく二人の背中を見つめていると、椅子を乱暴に引く音が後ろから聞こえた。




「大上、遅刻じゃなくてよかったな」


「マジ焦った。間に合ってよかったー」




ドキッと胸が跳ねる。


い、いちいち反応しなくていいからわたし!