もう一度振り返るといつのまに距離を縮めたのかすぐ後ろに大上くんが立っていた。
大上くんはよくわからない表情でわたしに手を伸ばした。
缶で温めていたのか手は冷たくない。
頬に触れられ小さく反応してしまう。
大上くんの瞳が揺れた気がした。
胸が苦しくなるのは、なんで?
「俺のこと好きって言えよ」
そんな顔で見ないで。
視線を外した瞬間、頬を両手で挟まれ唇を塞がれた。
抵抗する暇もなくわたしは目を閉じていた。
熱いんだけど。
もう全身が熱いよ。
夜の冷たい空気がちょうど気持ちいいぐらいだった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…