電車にのって、海の見える駅に着いた。

「海…」
私が呟く。

「そうだね…」
彼も呟く。

しばらく二人で無言のまま立ちつくしていた。

…っ!
冷たいなぁと思ったら、雨が降ってきていた。
周りにはもう誰もいなかった。
彼が傘を差してくれた。

また無言でたちつくしていると、
「あのさ…あの。これ。」
差し出されたのは白い袋。
え、と驚いていると、彼が照れくさそうに
「プレゼント」
と言った。

開けていい?と聞いてから、
私はその袋を開けた。

桜色のクマのキーホルダー。
すごい可愛い。あたしのストライク。

「うわぁ…これ!すごい可愛い…!!」
自分でも予想外なくらい喜んだ。