「え、ねぇ?大丈夫?」
彼の声でハッと我にかえる。
「うん。大丈夫よ。ねぇ、どこいく予定?」
気のせいよ、好きな人に愛想笑いなんてあり得ないから。そう自分に言い聞かせながら返事をする。
「あぁ、うん、決めて?」
……決めて…?
「あの、君の誕生日だから。どこ行きたい?」
何かを察したように彼は言葉を付け足した。
「ん、あぁ、そだな…海…海見たいかも。」
了解、と満面の笑みで彼は去っていった。
そして、終業のチャイムがなった。
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