和成の言葉に兵士たちが一斉に返事をした。
 その直後、司令所内はにわかに慌ただしくなる。
 和成と隊長がそれぞれ指示を出し、兵士たちはそれをてきぱきとこなしていった。

 前線の部隊長たちに最新の戦況が伝えられ、作戦の再確認を終えると、和成は紗也を誘導して通信機の前に立った。
 番号を合わせて紗也に言う。


「簡単な挨拶と戦を始める合図をお願いします」


 紗也は頷き、和成が電源を入れるのを待ってしゃべり始めた。


「総大将の紗也です。今日は初めて出陣しました。和成に怒られるので私は前線に行けないけど、中央司令所から応援しています。それじゃあ、今から戦を始めましょう。みんな、頑張ってね」


 中央司令所は一斉にクスクス笑いに包まれた。
 和成はガックリと肩を落として、電源を切りながら言う。