「やはり兵の数が少ないのが気になります。背後や側面からの奇襲の可能性はないですか?」


 和成の問いに隊長が答える。


「私もその点は気になったので、かなり広範囲に渡って、背後、側面共に調べさせました。ですが、敵は一兵たりとも見当たらなかったそうです」

「そうですか」


 和成はフッと息をついて苦笑した。


「つまり、うちごときに主力部隊が全力で当たるまでもないって事ですね」


 そして、不意に不敵の笑みを浮かべる。


「そのナメた態度、思い切り後悔させてやりましょう」
「はい!」