春樹、だからハル…か。

社員とか、調理師免許とか、そういうこと一つ一つすらも知らない。



「……」

「?どうかした?」

「…いや、私ハルのこと何も知らないんだと思って」

「うん。俺も霞ちゃんのことあんまり知らない。何が好きとか具体的にどんな仕事してるとか」

「……」

「だからこれから知って行けばいいんじゃない?」

「…?」

「沢山時間はあるよ。恋人同士なんだから」

「……」



恋人、同士

そう笑う彼の隣では、噴水から出る水が夜の光にキラキラと輝く。