「?どうかした?怒ってる?」

「怒ってない。ついてこないで」

「ついてこないでも何も、俺も買い出し先こっちだし…」

「……」



怒ってなんてない。

けどやっぱり普通に女に髪を触らせるんだろうとか、貰ったピンに抵抗もなく慣れてる感とか…そういうのがちょっと、心に引っかかるだけで



(…って私、これじゃまるで)



「もしかして、ヤキモチ?」

「!」



ズバリと突く一言に、通り沿いの噴水の前で思わず足を止めた。



「あ、図星だ」

「っ〜…なわけないでしょ!!」

「照れない照れない♪」



にこにこと笑ってからかうように言うハルに、言葉とは裏腹に赤くなる顔。

それを隠すようにまた早足で歩き出す。